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2026年10月 確認

卒FITのあと、太陽光の電気はどうするのが得?

結論

  • 卒FITのあとも売電は続けられます。何もしなくても損をするとは限りません
  • 選択肢は「売電先を選び直す」「蓄電池で自分で使う」「いまの契約のまま」の3つです
  • 東京都なら、太陽光のある家の蓄電池に1kWhあたり10万円の補助があります

蓄電池を足すかどうかは、補助金を引いた自己負担で決まります。売電先を比べるのと同時に、蓄電池の費用も見積もりで確かめておくと判断しやすくなります。

卒FITとは、太陽光の電気を国が決めた値段で買い取る期間(10年)が終わることです。[1] 終わったあとは買取の値段が下がるため、「このままでいいのか」と迷う人が多くなります。

選択肢は大きく3つです。売電先を選び直す、蓄電池をつけて自分で使う、いまの契約のまま売り続ける。どれが得かは、電気料金、蓄電池の価格、買取のメニューで変わると、資源エネルギー庁も説明しています。[2]

蓄電池をつける場合、補助金の額は地域と容量でほぼ決まります。一方で、実際に払う額は設置費用しだいです。判断の最後は、見積もりで自己負担を確かめることになります。

卒FITとは?

卒FITとは、住宅用太陽光の固定価格での買取期間10年が終わることです。[1] 2019年11月以降、早く設置した家から順に満了を迎えています。[1]

国の資料では、2019年11月と12月だけで約53万件が満了の対象とされました。[3] 2023年までの累積では約165万件と見込まれています。[3] 卒FITは、太陽光のある家の多くがいずれ迎える出来事です。

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縦軸: 万件

年 その年の満了件数 累積件数
2019年(11・12月) 約53万件 約53万件
2020年 約20万件 約73万件
2021年 約27万件 約100万件
2022年 約34万件 約134万件
2023年 約31万件 約165万件

資源エネルギー庁の2018年9月の資料による見込みで、一部に推定値を含みます。[3]

満了の時期は、売電を始めた年からおよそ10年後です。いまの売電契約の書類や、電力会社の検針票・ウェブの会員ページで、売電の開始日を確かめておいてください。

いつ、何が届く?

満了の4〜6か月前(事業者によっては約3か月前)に、いま売電している電力会社から通知が届きます。[2] 通知には満了の時期と、その後の手続きが書かれています。

満了後も、太陽光の電気は売ることができます。[2] 売電の契約がどこともない場合だけ、送配電事業者が一時的・例外的に無償で引き受けます。[2] これは例外的な扱いで、「満了したら必ず0円」ではありません。[4]

比べる期間の区切りは編集部の目安です。

出典[2][5]

時期 起きること やること
満了の6〜4か月前 いまの電力会社から通知が届く [2] 満了日と満了後の単価を確かめる
通知のあと 売電先・蓄電池を比べる期間 売電先の単価を比べ、蓄電池の見積もりを取る
満了日の翌日 新しい契約で売電が始まる 何もしなくても続くプランか確かめる [5]
満了後いつでも 蓄電池の後付けができる 認定の変更は事前変更届出で足りる [2]

比べる期間の区切りは編集部の目安です。蓄電池を考えるなら、通知が届いた時点で見積もりを取り始めると、満了に間に合わせやすくなります。

卒FITのあと、選べるのは何?

卒FIT後の選択肢は「売電先を選び直す」「蓄電池などで自分で使う」「いまの契約のまま売る」の3つです。[1][2] どれが得かは一概には言えないと、資源エネルギー庁も説明しています。[2]

選択肢 初期費用 向いている家 注意点
いまの電力会社に売り続ける かからない 手間をかけたくない 自動で続くか通知で確かめる
別の会社に売電先を切り替える かからない 少しでも高く売りたい 単価と条件(電気の購入とセットか等)を比べる
蓄電池をつけて自分で使う かかる 夜に電気をよく使う/停電に備えたい 費用と補助金で効果が変わる
電気自動車・エコキュートと組み合わせる かかる 車の買い替えや給湯器の交換が近い 使える時間帯が限られる

自分で使う方法には、蓄電池のほか、電気自動車やエコキュートと組み合わせる方法もあります。[1] 売電先の候補は、資源エネルギー庁が公開している「売電できる事業者」の一覧から探せます。[1]

まず全員がやることは、売電先の単価を比べることです。そのうえで、停電への備えや夜の電気の使い方から、蓄電池を検討するかを決めてください。

売電先を変えるといくら?

卒FIT後の買取の値段は、電力会社やプランで違い、見直されることもあります。契約の前に、各社の公式ページで最新の値段を確かめてください。

例として、東京電力エナジーパートナーの「再エネ買取標準プラン」は1kWhあたり8.50円(税込)です(2026年10月24日確認)。[5] 同社に売電していた家は、満了後に手続きなしでこのプランに移ります。[5] 10kW未満の設備は、売電の代金が年2回まとめて振り込まれます。[5]

参考までに、FITの期間中の買取価格は、設置した年度で決まっています。2015年度は1kWhあたり33円、2016年度は31円でした(出力制御対応機器の設置義務なしの場合)。[6] 2016年度に売電を始めた家は、2026〜2027年ごろに満了を迎え、単価は大きく下がります。

調べ方は次のとおりです。

  1. 満了の通知で、いまの会社の満了後の買取単価を確かめる
  2. 資源エネルギー庁の「売電できる事業者」の一覧から、住んでいる地域で買い取る会社を探す [1]
  3. 各社の公式ページで、単価・契約期間・条件(電気の購入とセットか など)を比べる

大手電力会社は、満了後の最初の契約で解約の違約金などを設けないことが望ましいとされています。[2] ただし、蓄電池などの設備を事業者が負担するプランは、この扱いの対象外です。[2] 条件つきのプランは、契約期間と解約の条件を確かめてください。

売る契約とは別に、買う電気の契約を見直す方法もあります。江戸川区は、再エネ100%の電力に切り替えた家に一律2万円を出し、切り替えの前後6か月以内に蓄電池などをつけると2万円を上乗せします(受付中、2026年10月24日確認)。[18] 蓄電池そのものへの区の補助ではない点に注意してください。

蓄電池でどのくらい得?

蓄電池でためた電気を夜に使うと、売るよりも「買わずにすむ」分だけ得になります。その差は、買う電気の値段と売る値段の差で決まります。

家電の表示などで使われる電気料金の目安は、1kWhあたり31円(税込)です。[7] 売る値段が8.50円の場合、自分で使えば1kWhあたり約22.5円の差になります。[5][7]

編集部の仮定として、1日4kWhを昼にためて夜に使うとします。売り続けた場合の収入と、自分で使った場合に浮く額を比べると、次のとおりです。

1日4kWhの扱い(編集部の仮定) 1kWhの価値 年間の金額
8.50円で売る 8.50円 [5] 4 × 365 × 8.50円 = 約1.2万円の収入
ためて夜に使う 31円(買わずにすむ)[7] 4 × 365 × 31円 = 約4.5万円の節約
差(蓄電池で増える分) 約22.5円 約3.3万円

天気・季節・機器での損失・劣化は考えていません。実際にためて使える量は、家の使い方と蓄電池の性能で変わります。

-100-80-60-40-20020406080051015202530設置からの年数万円約29年約8年
-100-80-60-40-20020406080051015202530設置からの年数万円約29年約8年
補助なし(96.25万円・税込)東京都の補助あり(自己負担26.25万円)

前提: 7kWh・税込96.25万円、1日4kWhを自分で使う、買う電気31円・売る電気8.50円。年に約3.3万円浮く計算です。

費用は、国の目標価格12.5万円/kWh(税抜)で7kWhをつけると87.5万円、税込で96.25万円です。[8] 1日4kWhを自分で使うと年に約3.3万円浮く計算で、補助がなければ回収に約29年かかります。東京都の補助70万円を引くと、自己負担は税込26.25万円で、約8年になります(いずれも編集部の計算)。

補助金のあるなしで、見通しは大きく変わります。そして自己負担は、自分の家の見積もりの金額しだいです。

卒FITの家の補助金は?

東京都では、太陽光がすでにある家の蓄電池に1kWhあたり10万円の補助があります。[9] 卒FITの家は太陽光がついているので、この条件を満たします。

東京都の補助 金額 計算の例
蓄電池の新設 1kWhあたり10万円(上限120万円) 7kWh × 10万円 = 70万円 [9]
既存の蓄電池に増設 1kWhあたり6万円(上限72万円) 4kWh × 6万円 = 24万円 [9]
DR実証に参加 +10万円 新設・増設に加算 [9]
DRに必要なIoT機器 1台あたり+5万円 DR実証に参加する場合 [9]

前提:東京都・既存住宅・太陽光あり。増設の4kWhは計算を示すための例です。補助は「容量×単価+加算」と「税抜の対象経費(国や区の補助を引いた残り)」の小さい方です。[9]
新設は、太陽光が「設置済み」か「同時設置」であることが条件です。[10] 増設は、太陽光が設置済みであることが条件です。[10]

区市町村の補助が上乗せされる地域もあります。2026年10月24日時点で受付中の例を挙げます。

地域 区の蓄電池の補助 都と合わせた額(7kWh) 受付状況
港区 初期実効容量 × 4万円、上限20万円 [11] 費用が上限(下の注記) 受付中
江東区 1kWhあたり1万円、上限10万円 [12] 70万円 + 7万円 = 77万円 受付中
杉並区 定額5万円 [13] 70万円 + 5万円 = 75万円 受付中
足立区 定額5万円(区内事業者は6万円)[14] 75万円(76万円) 受付中

港区は、費用87.5万円(目標価格・税抜)で7kWhなら、区20万円+都67.5万円で費用と同じ額になります。[9][11] 江東区は、太陽光やエネファームと常時接続していることが条件です。[12]

東京都の補助を受けるには、原則として契約の前に事前申込が必要です。[10] 2026年10月1日以降の事前申込では、SIIの2026年度登録製品だけが対象です。[9] 国の蓄電池補助金(DR補助金)は、2026年5月29日に予算に達して受付を終え、SIIは再開の予定はないとしています。[15]

都の事前申込は契約の前に必要です。見積もりの段階で、申請に慣れた業者に段取りを相談しておくと安心です。

後付けの前に確かめることは?

後付けの前に確かめるのは、いまの太陽光の機器に合うか、手続き、置き場所の3つです。どれも業者の現地確認と見積もりの段階で確かめられます。

確かめること 見るポイント 根拠
パワーコンディショナとの相性 ハイブリッド型にするか、いまの機器に足すか 構成で費用が変わる [16]
停電時の動き 全負荷型か特定負荷型か 使える範囲が違う [16]
FITの認定の手続き 満了後は事前変更届出で足りる [2]
製品の登録 SIIの2026年度登録製品か 都の補助の条件 [9]
支払い方法 振込・ローンか 都は現金の受け渡しを対象外 [10]
置き場所 屋内に置けるか、屋外専用か 屋外専用の機種がある [16]

卒FITの家は、太陽光の設置から10年以上たっています。パワーコンディショナを交換する時期と重なる場合は、蓄電池と一体になった機種(ハイブリッド型)にする方法もあります。東京都には、太陽光のパワーコンディショナを更新するときの補助もあります(費用の1/2、上限10万円/台)。[10]

訪問販売で契約した場合は、書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます。[17] 困ったときは消費者ホットライン188に相談できます。[2] 川崎市も、卒FITを機にした販売の勧誘に注意をうながしています。[19]

どれを選ぶか、判断の目安は?

停電への備えを重視するなら蓄電池、費用をかけたくないなら売電先の比較が目安です。迷う場合は、両方を並べて比べる方法があります。

  • まず全員がすること: 満了の通知を確かめ、売電先の値段を比べる
  • 蓄電池を考える家: 補助金を確かめ、見積もりで自己負担を出す
  • 比べ方: 「売電を続けた場合の収入」と「蓄電池の自己負担と年に浮く額」を並べる

「満了後は0円になるので、蓄電池をつけないと損」という勧誘には注意が必要です。[4] 資源エネルギー庁は、これを誤解として挙げています。[4] 「特定の1社と契約しないと損」という説明も、同じく誤解とされています。[4]

自分の家の数字で比べるには、蓄電池の見積もりが必要です。売電先の単価は公式ページで調べられますが、蓄電池の費用は家ごとに違います。

あなたの地域の補助金
卒FITの家が蓄電池をつけるなら、地域の補助を確かめてください。区市町村の補助が上乗せされる地域もあります。

次にやること

売電先の比較は自分でできますが、蓄電池の自己負担は見積もりでしかわかりません。両方の数字がそろえば、どちらを選ぶかを自分で判断できます。

よくある質問

何も手続きをしないと、売電は止まりますか?

会社とプランによります。東京電力エナジーパートナーに売電していた家は、手続きなしで再エネ買取標準プランに移ります。[5] 契約先がない電気は、送配電事業者が一時的に無償で引き受けます。[2]

卒FITの家でも、蓄電池の補助金は使えますか?

東京都の補助は、太陽光が設置済みの家の蓄電池を対象にしています。[10] 区市町村の補助は地域で違うため、地域ページで確かめてください。

蓄電池をつけると、FITの手続きは必要ですか?

買取期間の満了後は、変更認定ではなく事前変更届出で足ります。[2] 手続きは業者に確かめてください。

売電と自分で使うのは、どちらが得ですか?

電気料金、蓄電池の価格、買取メニューで変わり、一概には言えないとされています。[2] 自分の家の数字で比べてください。

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この記事を書いた人

蓄電池補助金ノート編集部

国・都・区市町村の公式ページと要綱を読み、金額と条件を毎週確認しています。運営はアースダイバー株式会社です。

運営会社:アースダイバー株式会社

編集方針と確認の方法

出典

  1. どうする?ソーラー(資源エネルギー庁) 2026年10月24日確認
  2. どうする?ソーラー よくあるご質問(資源エネルギー庁) 2026年10月24日確認
  3. 住宅用太陽光発電設備のFIT買取期間終了に向けた対応(資源エネルギー庁 新エネルギーシステム課、2018年9月28日、PDF) p.1。2026年10月24日確認
  4. 買い取り期間満了をむかえるみなさま(資源エネルギー庁) 2026年10月24日確認
  5. 再エネ買取標準プラン(東京電力エナジーパートナー) 単価は見直される場合あり。2026年10月24日確認
  6. 買取価格・期間等(2025年度以前)(資源エネルギー庁) 住宅用太陽光(10kW未満)。2026年10月24日確認
  7. よくある質問(全国家庭電気製品公正取引協議会) 電力料金の目安単価31円/kWh(税込、2022年7月22日改定)。2026年10月24日確認
  8. 令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業 公募要領 1.1版(SII、2026年3月26日、PDF) p.9(目標価格)。2026年10月24日確認
  9. 令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業(クール・ネット東京) 助成金額、助成対象経費、SII登録製品の要件。2026年10月24日確認
  10. 令和7年度事業の受付期間及び令和8年度事業の概要・今後の予定について(東京都環境局・東京都環境公社、2026年2月18日、PDF) 本文1・2、別紙2(②蓄電池、⑤太陽光)。2026年10月24日確認
  11. 蓄電システム(港区 創エネルギー・省エネルギー機器等設置費助成金) 2026年10月24日確認
  12. 江東区地球温暖化防止設備導入助成事業 事業のご案内(個人住宅用)(江東区、2026年4月1日、PDF) 2026年10月24日確認
  13. 【エコ住宅促進助成】手続き案内(令和8年度)(杉並区) 2026年10月24日確認
  14. 太陽光発電システム及び蓄電池設置費補助金(設置後申請)(足立区) 2026年10月24日確認
  15. 国のDR補助金の受付終了(2026年5月29日、予算到達。再開の予定なし)はSII 令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業 お知らせ(2026年5月29日)による。2026年10月24日確認
  16. オムロン マルチ蓄電プラットフォーム カタログ KAND-044Q(2023年8月、PDF) p.4〜5(特定負荷・全負荷)、p.13・18(設置場所)。2026年10月24日確認
  17. クーリング・オフ(国民生活センター) 2026年10月24日確認
  18. 再エネ100%電力切替補助金(江戸川区、2026年10月7日更新) 2026年10月24日確認
  19. 太陽光発電設備等設置費補助金(令和8年度)(川崎市、2026年10月21日更新) 卒FITを機にした勧誘への注意。2026年10月24日確認

更新履歴

  • 2026年10月24日 新しい構成に改稿(満了件数の推移、満了前後のタイムライン、売電と自家消費の試算、区の上乗せ、後付けの確認点、よくある質問を追加)
  • 2026年10月24日 公開

次回確認予定:2026年11月24日