本文へ移動
2026年10月 確認

蓄電池・太陽光の訪問販売、その場で契約して大丈夫?

結論

  • その場で契約せず、自分で複数社の見積もりをくらべてから決めます
  • 契約しても、書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフできます
  • 困ったら、消費者ホットライン188で近くの消費生活センターにつながります

訪問で受けた提案が妥当かどうかは、ほかの見積もりと並べるとわかります。その場で決めず、くらべる材料を自分で集めておくと落ち着いて判断できます。

蓄電池や太陽光の訪問販売が、すべて問題というわけではありません。ただ、突然の訪問で長い時間説明を受け、その日のうちに契約した、という相談が多く寄せられています。[1] 高い買い物なので、くらべて決める時間をとることが大切です。

このページでは、公的機関が公表している事例をもとに、よくある勧誘の言い方をパターンとしてまとめます。そのうえで、断り方、その場で決めずに比べる手順、クーリング・オフ、相談先を整理します。

訪問販売では、補助金の話がよく出てきます。補助金の額は地域と容量でほぼ決まり、業者によって増えるものではありません。払う額は設置費用しだいなので、自分で補助金を確かめ、複数社の見積もりとくらべることが判断の土台になります。

どんな相談が多い?

突然訪問され、長時間の説明の末にその場で契約した、という相談が目立ちます。[1] 最近は、太陽光パネルの「無料点検」から始まる相談も急に増えています。[2]

家庭用蓄電池の相談件数(国民生活センター)

年度 相談件数
2016年度 325件
2017年度 553件
2018年度 926件
2019年度 1,302件
2020年度 1,314件

全国の消費生活センターなどの相談を集めた仕組み(PIO-NET)への登録分です(2021年4月30日までの登録分)。[1] 2016年度から2020年度で約4倍になりました。2021年度以降の件数は、同センターの公表で確認できていません。

572017592018532019622020902021154202230420236132024
572017592018532019622020902021154202230420236132024

縦軸: 件数

太陽光発電の点検商法の相談件数(国民生活センター)

年度 相談件数
2021年度 90件
2022年度 154件
2023年度 304件
2024年度 613件

PIO-NETに登録された件数で、消費生活センターなどを経由した相談は含みません。[2] 2022年度から2024年度で、約4倍に増えています。

あなたがやること: 訪問を受けたら、会社名・担当者名・来た日時をメモしておきます。

よくある勧誘の言い方は?

よくあるのは「期限や数で急がせる」「無料点検から入る」「関係者を名乗る」「補助金で安さを強調する」の4つです。[1][2][3] どれも、くらべる時間をとらせずに決めさせようとする点が共通しています。

パターン 言われることの例 確かめること
期限や数で急がせる 「この値段は今日限り」「安くできるのはあと2件」[1] 本当にその日でないとだめか。ほかの見積もりと比べたか
無料点検から入る 「点検が法律で義務化された」「無料で点検します」[2] 自分の設備が点検義務の対象か。設置した業者に問い合わせたか [2]
関係者を名乗る 「市から委託された」「電力会社の関連会社」「大手メーカーの下請け」[1][3] 名乗った自治体や会社に、自分で直接確かめたか
補助金で安さを強調 「今なら補助金が出る」「申請は代行します」[1][3] 補助金がいま受付中か。条件と額を自分で確かめたか

国民生活センターは「市から委託された」と訪問され、装置が壊れていると言われて約200万円の蓄電池を契約した例を紹介しています。[1] 後日、別の工事担当者は、装置は壊れていないと説明したそうです。[1]

「点検が義務化された」と言われて、約40万円の洗浄とコーティングを契約した例もあります。[2] 点検の義務の対象になるかは、FIT制度を使っているかや出力で違い、一律ではありません。[2]

あなたがやること: 言われたことを表のパターンに当てはめ、右の列の確認が済むまで決めないようにします。

補助金を理由にせかされたら?

補助金を理由に「今日決めないと」と言われても、その場で決める必要はありません。補助金の額は地域と容量でほぼ決まり、業者によって増えるものではありません。

言われること 確かめること 公式の情報
「国の補助金で安くなる」 いま受付中か 国のDR補助金は2026年5月29日に予算到達で終了。再開の予定なし [4]
「補助金で○○万円出る」 額が公式と合うか 東京都は1kWhあたり10万円(上限120万円)[5]
「今日契約すれば補助金が出る」 順番が合うか 東京都は契約の前に事前申込が必要 [6]
「キャッシュバックで実質無料」 補助の計算に響かないか 都はキャッシュバック予定額を対象経費から除く [5]
「現金払いなら値引き」 補助の対象になるか 都は現金の受け渡しの取引を対象外としている [6]

自治体も、事実と違う補助金の広告に注意を呼びかけています。宮城県は「申請すれば100%もらえる」といった表現は誤りだとしています。[7] 補助金は審査のうえで決まり、必ずもらえるものではありません。[7]

豊島区の消費生活センターは、「今なら補助金が約270万円出る」と言われ、400万円の契約をした相談を紹介しています。[3] 補助金の内容は、自治体にも確かめるよう呼びかけています。[3]

補助金の額は自分で確かめられますが、払う額は設置費用しだいです。提案された金額が妥当かは、ほかの業者の見積もりと並べるとわかります。

あなたがやること: 説明された補助金の名前と額をメモし、住んでいる地域の公式情報と照らし合わせます。

訪問販売は、どう断ればいい?

「契約しません」とはっきり伝えれば、業者はそれ以上勧誘してはいけません。特定商取引法で、断った人への勧誘を続けることや、後日あらためて勧誘することは禁止されています。[8]

法律で決まっていること 内容
名乗る義務(法第3条) 勧誘の前に、会社名・勧誘が目的であること・商品の種類を伝える [8]
再勧誘の禁止(法第3条の2) 断った人に勧誘を続けること、後日また勧誘することは禁止 [8]
書面を渡す義務(法第4条・第5条) 価格、支払い、クーリング・オフなどを書いた書面を渡す [8]
禁止行為(法第6条) 事実と違うことを言う、大事なことを隠す、脅して困らせる [8]

断るときのポイントは次のとおりです。

  1. 会社名と目的を聞く: 名乗らない場合は、その時点で話を終えてかまいません
  2. 「契約しません」と短く伝える: 理由を詳しく話す必要はありません
  3. 家に上げない、その場で書類に署名しない: 検討するなら資料だけ受け取ります
  4. 検討するなら「ほかとくらべてから決めます」と伝える: 再訪の日時は自分の都合で決めます

断ったあとも勧誘が続くときや、帰ってもらえないときは、消費生活センターに相談できます。[9]

あなたがやること: 玄関で使う一言(「契約しません」「ほかとくらべてから決めます」)を決めておきます。

その場で決めずに比べるには?

訪問で提案を受けたら、資料だけ受け取り、同じ条件で2〜3社の見積もりをそろえます。国民生活センターも、その場で契約せず、複数社の見積もりを比べるよう呼びかけています。[1][2]

手順 やること 目安
1 訪問の提案書と見積もりを受け取る その日は署名しない
2 住んでいる地域の補助金を自分で確かめる 受付状況と申請の順番
3 同じ容量・条件で、ほかの業者にも見積もりを依頼 2〜3社
4 価格・内訳・保証・申請の段取りを表にする 次の節の表を使う
5 都の事前申込を済ませてから契約する 契約の前に申込 [6]

くらべるときは、容量と停電時の使い方(家全体か、決めた回路だけか)をそろえます。条件が違うと、総額を並べても比べられないためです。

都の補助は、契約の前に事前申込が必要です。[6] 見積もりの段階で、申請の段取りまで説明できる業者かどうかも比べる点になります。

あなたがやること: 訪問で受け取った見積もりの容量と機種を書き出し、同じ条件でほかの業者に依頼します。

見積もりは何を比べる?

まず1kWhあたりの価格、次に内訳と保証、最後に補助金の申請の段取りを比べます。総額だけを見ると、容量や工事の違いが見えなくなります。

比べる点 確かめること
1kWhあたりの価格 総額(税抜)を容量(kWh)で割る
見積もりの内訳 機器と工事費が分かれているか。「一式」だけになっていないか
補助金の扱い 受付中の制度か。額と申請の順番が公式情報と合うか
製品の登録 東京都は2026年10月以降の事前申込からSIIの2026年度登録製品のみ [5]
保証 機器・容量・工事の保証の年数と内容
支払い方法 都の補助は金融機関の証明が要り、現金の受け渡しは対象外 [6]
契約書面 クーリング・オフの説明があるか。会社名・住所・担当者名があるか [8]

国の資料では、補助事業の家庭用蓄電池は工事費込みで1kWhあたり約12.1万円でした(2023年度)。[10] 国の目標価格は1kWhあたり12.5万円(税抜)です。[11] 見積もりがこれより大きく高いときは、理由を聞いてみてください。

国民生活センターは、メリットだけでなく費用も十分に考えるよう呼びかけています。[1] 売電より自分で使うほうが経済的とは限らない点にも注意が必要です。[1]

表の項目は、どの業者にも同じように聞けます。訪問で受けた見積もりも、この表の1列として並べてみましょう。

あなたがやること: 表を印刷するか書き写し、各社の数字を同じ行に並べます。

契約後でもやめられる?

訪問販売の契約は、契約書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフできます。[8][12] 理由は要らず、違約金も払う必要はありません。[8]

項目 内容
期間 申込みか契約の書面を、先に受け取った日から8日以内 [12]
方法 書面(はがき可)か、電子メールなどの電磁的記録 [12]
通知に書くこと 契約した日、商品名、契約金額、販売会社、発信日など [12]
ローンの場合 販売会社とクレジット会社の両方に通知する [12]
送り方 はがきは両面をコピーし、特定記録郵便や簡易書留で送る [12]
記録 送った記録や書類を、少なくとも5年保管する [12]
効果 払ったお金は返金。商品は業者の負担で引き取り [8]
工事のあと 土地や建物の状態が変わっていれば、無償で元に戻してもらえる [8]

書面に不備がある場合や、うその説明や脅しでクーリング・オフを妨げられた場合は、8日を過ぎても使えることがあります。[8][12] 工事が終わっていても、期間内であればクーリング・オフできます。[8]

8日を過ぎても、使える決まりがほかにあります。

  • 過量販売の解除(法第9条の2): ふつう必要な量を大きく超える契約は、契約から1年間は解除できます [8]
  • 取り消し(法第9条の3): 事実と違う説明を信じて契約した場合などは、取り消せます [8]

使えるかどうかは事情によります。迷ったら、早めに消費生活センターに相談してください。

あなたがやること: 契約したなら、書面を受け取った日を確かめ、8日目の日付をカレンダーに書きます。

どこに相談すればいい?

消費者ホットライン188(いやや)に電話すると、近くの消費生活センターにつながります。[9] 相談は無料で、通話料だけがかかります。[9]

相談先 内容
消費者ホットライン188 郵便番号などから、住んでいる地域の窓口を案内 [9]
国民生活センター 平日バックアップ相談 188がつながらないとき。03-3446-0999、平日10時〜16時 [9]
資源エネルギー庁の問い合わせ窓口 太陽光の売電期間(FIT)の終了について。0570-057-333、平日9時〜18時 [13]
住んでいる自治体の補助金の担当課 説明された補助金が本当か、受付中か

国民生活センターは、2025年度の65歳以上の相談で、訪問販売が37,137件あったと公表しています。[14] 年齢が上がるほど訪問販売の割合は高くなり、85歳以上では21.5%でした。[14] 離れて暮らす家族がいる場合は、訪問があったら一声かけてもらうよう話しておくと安心です。

消費者庁や国民生活センターをかたる、にせのはがきも出回っています。[9] 相談先は、公式の番号から自分でかけてください。

あなたがやること: 188の番号を、電話機のそばか携帯電話の連絡先に登録しておきます。

あなたの地域の補助金
説明された補助金が本当か、住んでいる地域の金額と受付状況で確かめられます。

次にやること

くらべる材料がそろうと、訪問で受けた提案も含めて落ち着いて選べます。補助金の申請に慣れた業者から、まとめて見積もりをとると比べやすくなります。

よくある質問

訪問販売の業者から買うのは、やめたほうがいいですか?

訪問販売だから悪いとは言えません。ただ、その場では比べる材料がありません。ほかの見積もりとくらべてから決めれば、同じ業者を選ぶこともできます。

「家族と相談します」と言えば断れますか?

再訪の約束になりやすい言い方です。契約しないなら「契約しません」と伝えます。断った人への再勧誘は、法律で禁止されています。[8]

工事が終わってからでもクーリング・オフできますか?

書面を受け取った日から8日以内なら、工事のあとでもできます。土地や建物の状態が変わっていれば、無償で元に戻してもらえます。[8]

「補助金の申請は代行します」と言われました。任せて大丈夫ですか?

代行してもらうこと自体は珍しくありません。ただ、申請されていなかった相談もあります。[1] 申請の受付番号や控えを、自分でも受け取って確かめてください。

あわせて読みたい

この記事を書いた人

蓄電池補助金ノート編集部

国・都・区市町村の公式ページと要綱を読み、金額と条件を毎週確認しています。運営はアースダイバー株式会社です。

運営会社:アースダイバー株式会社

編集方針と確認の方法

出典

  1. 家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!-事業者の突然の訪問を受けてもその場で契約はせずによく検討しましょう-(国民生活センター、2021年6月3日) 2026年10月24日確認
  2. 太陽光発電システムの点検商法が急増!(国民生活センター、2025年6月4日)/見守り新鮮情報 第534号 太陽光発電システムの点検商法に注意(国民生活センター、2026年1月29日) 2026年10月24日確認
  3. 消費生活ほっとニュース 第105号(豊島区 生活産業課 消費生活グループ、2024年12月10日、PDF) 2026年10月24日確認
  4. 国のDR補助金の受付終了(2026年5月29日、予算到達。再開の予定なし)はSII 令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業 お知らせ(2026年5月29日)による。2026年10月24日確認
  5. 令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業(クール・ネット東京) 助成額、対象経費(キャッシュバックの扱い)、SII登録機器の要件。2026年10月24日確認
  6. 令和7年度事業の受付期間及び令和8年度事業の概要・今後の予定について(東京都環境局・東京都環境公社、2026年2月18日、PDF) p.1(契約締結前の事前申込)、別紙2(金融機関発行の証明書、現金取引は対象外)。2026年10月24日確認
  7. 蓄電池のセールスなど誇大広告の案内に関する注意喚起(宮城県 環境政策課、2025年11月14日) 2026年10月24日確認
  8. 訪問販売(消費者庁 特定商取引法ガイド) 法第3条、第3条の2、第4条・第5条、第6条、第9条、第9条の2、第9条の3。2026年10月24日確認
  9. 消費者ホットライン(消費者庁) 2026年10月24日確認
  10. 2024年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ(経済産業省、三菱総合研究所作成、2025年3月7日、PDF) p.12。2026年10月24日確認
  11. 令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業 公募要領 1.1版(SII、2026年3月26日、PDF) p.9。2026年10月24日確認
  12. クーリング・オフ(国民生活センター) 2026年10月24日確認
  13. 買い取り期間満了をむかえるみなさま(資源エネルギー庁) 2026年10月24日確認
  14. 2025年度 65歳以上の消費生活相談の状況(国民生活センター、2026年9月16日、PDF) 販売購入形態別の表。2026年10月24日確認

更新履歴

  • 2026年10月24日 見積もりをくらべる手順、点検商法の相談件数、8日を過ぎた場合の決まり、補助金の確かめ方の表を追加
  • 2026年10月24日 公開

次回確認予定:2026年11月24日