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2026年10月 確認

蓄電池はやめたほうがいい?うちに向いているか確かめるには

結論

  • 太陽光がなく、停電への備えも重視しない家は、見送ってよいことが多いです
  • 太陽光があり、昼の余った電気を夜に使いたい家は、検討する価値があります
  • 東京都なら7kWhで70万円の補助があり、費用の大半が埋まることもあります

向いているかどうかの最後の決め手は、補助金を引いた自己負担です。まず見積もりで、自分の家の費用を確かめてみましょう。

「蓄電池はやめたほうがいい」という声には、もっともな理由もあります。値段が高いこと、電気代の節約だけで元を取るのが難しいこと、強引な訪問販売があることです。一方で、太陽光のある家や停電に備えたい家には、役に立つ設備でもあります。

向き不向きは、家の条件でかなりの部分が決まります。太陽光の有無、昼と夜の電気の使い方、停電への備えをどこまで求めるか。このページでは、その条件を順に整理し、最後に自分で確かめられるチェックリストを置きます。

もう一つの大きな条件が、補助金と費用です。補助金の額は地域と容量でほぼ決まりますが、実際に払う額は設置費用しだいです。判断の最後は、見積もりで自己負担を確かめることになります。

蓄電池が向かないのは、どんな家?

太陽光がなく、停電への備えもあまり求めない家は、蓄電池が向かないことが多いです。蓄電池は「ためる」設備なので、ためる電気の元がないと良さを生かしにくいからです。

次のような家は、慎重に考えたほうがよい条件です。

条件 向かない理由 例外・補足
太陽光がなく、つける予定もない ためる電気を自分で作れない 夜の電気をためる使い方は料金プランしだい
昼に家にいて、太陽光の電気を使い切っている 余る電気が少なく、ためる量も少ない 停電への備えが目的なら別に考える
機器を置く場所がない 屋外か屋内に設置場所と工事の通り道が必要 屋内に置けない機種もある [3]
数年以内に住み替える予定がある 長く使って効果を積み上げる設備 補助金には同じ住宅で1回限りなどの条件がある [9]
費用を払える見通しが立たない 補助金は後から振り込まれる 東京都は現金の受け渡しを対象外とする [1]

太陽光がない家でも、東京都の補助は再エネ100%の電力メニューを契約すれば対象になります。[1] ただし、ためる電気を自分で作れない点は変わりません。

表の条件に2つ以上当てはまるなら、見送る判断も十分にありえます。当てはまるものが1つなら、次の「向いている家」の条件と見比べてください。

蓄電池が向いているのは、どんな家?

太陽光があり、昼に余った電気を夜に使いたい家は、蓄電池が向いています。売る電気を減らし、買う電気を減らす使い方ができるからです。

  • 太陽光の売電期間(FIT)が終わった、または近い: 売る値段が下がり、自分で使う価値が相対的に上がります。東京電力エナジーパートナーの満了後の標準プランは1kWhあたり8.50円(税込)です [6]
  • 昼は留守がちで、夜に電気をよく使う: 昼の余りを夜に回せます
  • 停電に備えたい: 太陽光だけでは夜に電気を使えませんが、蓄電池があれば夜も使えます [2]
  • 住んでいる地域の補助が大きい: 東京都なら1kWhあたり10万円の補助があります [1]

太陽光だけの場合、停電時は自立運転用のコンセントから昼間しか使えません。[2] 使える電力も、パワーコンディショナの定格出力(機種により1.5kVAなど)までです。[2] 蓄電池があれば、残量のあるあいだは夜も電気を使えます。[2]

停電への備えは、お金に換算しにくい価値です。冷蔵庫や照明、スマホの充電を夜も続けたいかどうかで、判断が大きく分かれます。自分の家にとって停電への備えがどのくらい大事かを、家族で話しておいてください。

デメリットは何がある?

主なデメリットは、費用が高いこと、時間とともに容量が減ること、置き場所と停電時の制約があることの3つです。どれも、機種選びと見積もりの段階で確かめられます。

デメリット 具体的には 確かめ方
費用が高い 工事費込みで1kWhあたり約12万円(2023年度の補助事業の実績)[4] 1kWhあたりの値段で比べる
容量が減っていく 15年後に初期容量の60%以上を保証する例 [3] 容量保証の年数と割合を見る
重くて場所をとる 16.4kWhの電池ユニットで約150kg の例 [3] 設置場所と基礎の要否を聞く
屋内に置けない機種がある 屋外専用の容量の機種がある [3] 置きたい場所に合う機種か確かめる
停電時に使える量に上限 全負荷型でも停電時の出力は4kVAまでの例 [3] 停電時に使いたい家電を伝える
元を取るまで長い 補助がないと回収に長い年数がかかる 補助金を引いた自己負担で考える

容量の減り方は、使い方や環境で変わります。メーカーが示す充放電の回数(サイクル寿命)は、決まった条件での期待値で、保証値ではないと書かれています。[3]

停電時の使い方は、機種で大きく違います。家全体に電気を送る「全負荷型」と、決めた回路だけに送る「特定負荷型」があります。[3] 特定負荷型は、使いたい家電をあらかじめ専用の回路につないでおく必要があります。[3]

デメリットの多くは、契約前に確かめれば避けられます。気になる点は、見積もりのときに業者へ質問してください。

電気代はどのくらい下がる?

電気代が下がる額は、自分で使えた電気の量と、買う値段と売る値段の差で決まります。家ごとに違うため、ここでは編集部の仮定で目安を示します。

家電の表示などで使われる電気料金の目安は、1kWhあたり31円(税込)です。[5] 卒FIT後に8.50円で売っている家なら、売らずに自分で使うと1kWhあたり約22.5円の差になります。[5][6]

編集部の仮定として、1日4kWhを昼にためて夜に使うとします。4kWh × 365日 × 22.5円 = 年に約3.3万円です。天気・季節・劣化・機器での損失は考えていません。

-100-80-60-40-20020406080051015202530設置からの年数万円約29年約8年
-100-80-60-40-20020406080051015202530設置からの年数万円約29年約8年
補助なし(96.25万円・税込)東京都の補助あり(自己負担26.25万円)

前提: 7kWh・税込96.25万円、1日4kWhを自分で使う、買う電気31円・売る電気8.50円。年に約3.3万円浮く計算です。

前提(編集部の仮定) 自己負担 年に浮く額 回収の目安
補助なし 96.25万円 約3.3万円 約29年
東京都の補助のみ 26.25万円 約3.3万円 約8年
東京都+江東区 19.25万円 約3.3万円 約6年

前提:既存住宅・太陽光あり・蓄電池7kWh・費用は国の目標価格12.5万円/kWh(税抜)に消費税を足した96.25万円(税込)。[7] 実際に払う額で考えるため、ここだけ税込にしています。補助は東京都70万円、江東区7万円。[1][9] 回収の目安は「自己負担 ÷ 年に浮く額」で、編集部が計算しました。1日に使える量や電気の単価を変えた計算は「蓄電池は元が取れる?」にまとめています。

FITの期間中で、まだ高い値段で売れている家は、差が小さくなります。たとえば2024年度に設置した住宅用太陽光の買取価格は1kWhあたり16円です。[8] この場合の差は約15円で、浮く額は3分の2ほどになります。

補助がないと、機器の保証期間内に回収するのは難しい計算です。補助があると、見え方が大きく変わります。どちらになるかは、自分の家の見積もりの金額しだいです。

補助金で判断は変わる?

補助金が大きい地域では、費用の大半を補助で埋められることがあり、判断が「つける」側に傾きます。逆に補助がない地域では、費用の回収が長くなります。

東京都の補助は1kWhあたり10万円で、上限は120万円です。[1] 国の目標価格12.5万円/kWh(税抜)で7kWhをつけると、費用は87.5万円です。[7] 東京都の補助70万円を引くと、自己負担は約17.5万円になります。

杉並区70万円5万円12.5万円負担12.5万江東区70万円7万円10.5万円負担10.5万
杉並区70万円5万円12.5万円負担12.5万江東区70万円7万円10.5万円負担10.5万
都道府県の補助区市の補助自己負担の目安
前提(7kWh、目標価格で計算) 費用 補助金 自己負担
補助なし 87.5万円 0円 87.5万円
東京都のみ(世田谷区など) 87.5万円 70万円 17.5万円
東京都+杉並区(定額5万円) 87.5万円 75万円 12.5万円
東京都+江東区(7kWh × 1万円) 87.5万円 77万円 10.5万円

計算式:7kWh × 12.5万円 = 87.5万円(税抜)、7kWh × 10万円 = 70万円。補助の合計は実際の費用が上限です。[1][7] 杉並区・江東区の補助は受付中(2026年10月24日確認)。[9][10] 世田谷区は令和8年度、蓄電池を補助の対象外としています。[11]

国の蓄電池補助金(DR補助金)は、2026年5月29日に予算に達して受付を終えました。SIIは再開の予定はないとしています。[12] 国の補助を前提にした説明を受けたら、いま受付中かどうかを確かめてください。

東京都の補助を受けるには、原則として契約の前に事前申込が必要です。[1] 受付は2027年3月31日17時までで、予算に達すれば早く終わります。[1] 補助の額がわかったら、次は費用の確認です。

事前申込は契約の前に必要なので、見積もりの段階で申請の段取りまで相談できる業者だと進めやすくなります。

よくある後悔は、どんなもの?

よくある後悔は「容量が合わない」「値段が高かった」「訪問販売でその場で決めた」の3つです。どれも、契約の前に確かめれば避けやすいものです。

よくある後悔 起きる理由 契約前にできること
容量が大きすぎた/小さすぎた 家の電気の使い方を確かめずに決めた 昼に余る量と夜に使う量を確かめる
値段が高かった 1社だけの見積もりで決めた 1kWhあたりの価格で複数社を比べる [4]
停電時に思ったほど使えなかった 一部の回路だけ使える機種だった 全負荷型か特定負荷型かを確かめる [3]
訪問販売でその場で契約した 「今日だけ」とせかされた その場で決めず、見積もりを比べる [13]
補助金がもらえなかった 都の事前申込の前に契約した 契約の前に都へ事前申込をする [1]
思ったほど電気代が下がらない 売電と自家消費の差を見込みすぎた 効果は家ごとに違うと知っておく [14]

国民生活センターには、家庭用蓄電池の勧誘に関する相談が2020年度に1,314件寄せられています。[13] 2016年度の325件から、4年で約4倍になりました。[13] 「この値段は今日限り」「国の補助金が出るので安くなる」とせかされた例が挙げられています。[13]

3252016553201792620181,30220191,3142020
3252016553201792620181,30220191,3142020

縦軸: 件数

訪問販売で契約した場合は、書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます。[15] 困ったときは、消費者ホットライン188に相談できます。[13]

後悔の多くは、比べずに決めたことから起きています。同じ容量・同じ構成で複数社の見積もりをそろえると、値段と内容の差がわかります。

「つけないと損」と言われたら?

「蓄電池をつけないと必ず損をする」は誤りです。資源エネルギー庁は、売電期間が終わった家への説明として、こうした言い方に注意をうながしています。[14]

資源エネルギー庁は、次のような説明を誤解として挙げています。[14]

  • 蓄電池をつけなければ必ず損をする
  • 売電より自分で使う方が絶対に得
  • 特定の1社と売電契約をしないと損
  • 満了後は0円で買い取られるので、当社の商品が得

満了後に電気を0円で引き取るのは、一時的に買い手がいない場合の例外的な扱いです。[14] 売るのと自分で使うのとどちらが得かは、家ごとに違います。[14]

「損をする」と言われたときほど、計算の前提を紙で出してもらってください。電気の使い方、売電の値段、費用、補助金の額がそろって、はじめて比べられます。

買うか迷ったときのチェックリスト

次のチェックで「はい」が多いほど、蓄電池は検討する価値があります。「いいえ」が多い場合は、見送る判断も十分にありえます。

当てはまるものをタップ(もう一度タップで取り消し)。「はい」の数が 6〜8個なら「検討する価値あり」、3〜5個なら「条件しだい」、0〜2個なら「見送ってもよい」。断定ではなく、考えるための目安です。

  1. 太陽光がある、または同時につける予定がある 「はい」の意味: ためる電気を自分で作れる
  2. 昼に太陽光の電気が余っている(売電している) 「はい」の意味: ためる電気がある
  3. 夜に電気をよく使う 「はい」の意味: ためた電気の使い道がある
  4. 停電のときに、冷蔵庫や照明を使えるようにしたい 「はい」の意味: 金額以外の価値がある
  5. 今後10年以上、いまの家に住む予定がある 「はい」の意味: 長く使って効果を積み上げられる
  6. 住んでいる地域に、受付中の蓄電池の補助金がある 「はい」の意味: 自己負担を大きく下げられる
  7. 屋外か屋内に、機器を置く場所がある 「はい」の意味: 設置できる
  8. 2社以上の見積もりを比べる時間がとれる 「はい」の意味: 値段の妥当性を判断できる

6の補助金は、地域ページで受付状況を確かめられます。8は、どの家にも当てはまる大事な条件です。

チェックの結果が「条件しだい」でも、見積もりで自己負担がわかれば判断しやすくなります。「見送ってもよい」でも、停電への備えを重視するなら、それを理由に検討してかまいません。

あなたの地域の補助金
補助金の有無で、自己負担は大きく変わります。住んでいる地域の金額と受付状況を確かめてください。

次にやること

向いているかどうかは、最後は補助金を引いた自己負担で決まります。その自己負担は、見積もりで費用がわかってはじめて確定します。

よくある質問

太陽光がなくても、蓄電池の補助金は使えますか?

東京都の補助は、太陽光がない場合でも再エネ100%の電力メニューを契約すれば対象になります。[1] 区の補助は、太陽光との接続を条件にする区もあります。[9]

蓄電池は何年くらい使えますか?

機種によります。あるメーカーは電池ユニットに15年の機器保証と、15年後に初期容量の60%以上の容量保証をつけています。[3] 保証の内容は見積もりのときに確かめてください。

補助金があれば、得になりますか?

得になるとは限りません。電気の使い方や費用で変わり、補助には予算と審査があります。[1] 補助金を引いた自己負担と、年に浮く額を比べて判断してください。

訪問販売で契約してしまいました。どうすればいいですか?

書面を受け取った日から8日間は、クーリング・オフができます。[15] 消費者ホットライン188にも相談できます。[13]

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この記事を書いた人

蓄電池補助金ノート編集部

国・都・区市町村の公式ページと要綱を読み、金額と条件を毎週確認しています。運営はアースダイバー株式会社です。

運営会社:アースダイバー株式会社

編集方針と確認の方法

出典

  1. 令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業(クール・ネット東京)/令和7年度事業の受付期間及び令和8年度事業の概要・今後の予定について(東京都環境局・東京都環境公社、2026年2月18日、PDF) 本文1・2、別紙2。2026年10月24日確認
  2. 停電時の自立運転について(シャープ 太陽光発電システム サポート) 2026年10月24日確認
  3. オムロン マルチ蓄電プラットフォーム カタログ KAND-044Q(2023年8月、PDF) p.4〜5(特定負荷・全負荷)、p.13・18(設置場所)、p.22〜23(仕様・保証)。2026年10月24日確認
  4. 2024年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ(経済産業省 定置用蓄電システム普及拡大検討会、三菱総合研究所作成、2025年3月7日、PDF) p.12。2026年10月24日確認
  5. よくある質問(全国家庭電気製品公正取引協議会) 電力料金の目安単価31円/kWh(税込、2022年7月22日改定)。2026年10月24日確認
  6. 再エネ買取標準プラン(東京電力エナジーパートナー) 単価は見直される場合あり。2026年10月24日確認
  7. 令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業 公募要領 1.1版(SII、2026年3月26日、PDF) p.9(目標価格)。2026年10月24日確認
  8. 買取価格・期間等(2025年度以前)(資源エネルギー庁) 住宅用太陽光(10kW未満)2024年度16円/kWh。2026年10月24日確認
  9. 江東区地球温暖化防止設備導入助成事業 事業のご案内(個人住宅用)(江東区、2026年4月1日、PDF) 2026年10月24日確認
  10. 【エコ住宅促進助成】手続き案内(令和8年度)(杉並区) 2026年10月24日確認
  11. 令和8年度世田谷区エコ住宅補助金(世田谷区) Q&A(太陽光・蓄電池は対象外)。2026年10月24日確認
  12. 国のDR補助金の受付終了(2026年5月29日、予算到達。再開の予定なし)はSII 令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業 お知らせ(2026年5月29日)による。2026年10月24日確認
  13. 家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!(国民生活センター、2021年6月3日) 相談件数は2021年4月30日までのPIO-NET登録分。2026年10月24日確認
  14. 買い取り期間満了をむかえるみなさま(資源エネルギー庁) 2026年10月24日確認
  15. クーリング・オフ(国民生活センター) 2026年10月24日確認

更新履歴

  • 2026年10月24日 新しい構成に改稿(デメリットの表、電気代の試算と累積収支、区ごとの自己負担、相談件数の推移、よくある質問を追加)
  • 2026年10月24日 公開

次回確認予定:2026年11月24日