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2026年10月 確認

家庭用蓄電池は、何kWhあれば足りる?

結論

容量の候補が決まると、補助金の額はほぼ計算できます。実際に払う額は機種と工事で変わるため、候補の容量ごとに費用を確かめておくと比べやすくなります。

蓄電池の容量は「何に使いたいか」で決まります。昼の太陽光の余りを夜に使いたいのか、停電のときに家の電気をまかないたいのか。目的がちがえば、必要な容量もちがいます。

このページでは、国の統計で家の電気の使用量と太陽光の余りをつかみ、停電時に使える時間の目安を示します。そのうえで、容量と補助金・費用の関係を表とグラフで整理します。

容量を決めると、補助金の額はほぼ決まります。一方で、実際に払う額は機種と工事の費用しだいです。候補の容量が決まったら、見積もりで容量ごとの費用を比べると判断しやすくなります。

うちの電気の使用量は?

戸建ての電気の使用量は、平均で年間約4,930kWh、1日あたり約13.5kWhです。[1] まずは自分の家の1日あたりの量を、明細から出します。

区分 年間の電気(買った分) 1日あたり 出典
全国の世帯平均 3,911kWh 約10.7kWh [2]
関東甲信の世帯平均 3,600kWh 約9.9kWh [2]
戸建て全体 約4,928kWh 約13.5kWh [1]
戸建て・太陽光あり 約5,444kWh 約14.9kWh [1]

環境省「家庭部門のCO2排出実態統計調査」令和5年度の値です。[1][2] 戸建ての値はGJで公表されており、1kWh=3.6MJで編集部がkWhに換算しました。1日あたりは年間の値を365で割っています。

太陽光のある戸建ての値は、外から買った電気の量です。[1] 太陽光で発電して自分で使った分は含まれません。

あなたがやること: 電気料金の明細で、1か月の使用量を日数で割り、1日あたりの量を出します。夏と冬の月も見ておきます。

家族の人数で変わる?

家族が多いほど、電気の使用量は増えます。電気によるCO2の排出量で比べると、4人世帯は1人世帯の約2.4倍です。[3]

世帯人数 電気によるCO2(t/年) 全体平均との比
1人 1.03 約0.6倍
2人 1.68 約1.0倍
3人 2.18 約1.3倍
4人 2.49 約1.5倍
5人 2.82 約1.7倍
6人以上 3.78 約2.3倍
全体 1.67 1.0倍

環境省の同じ調査(令和5年度)の値です。[3] 世帯人数ごとの電気の使用量(kWh)は公表されていないため、CO2の量で比べています。比は編集部が計算しました。

人数だけでなく、オール電化かどうか、昼に家にいるかどうかでも使用量は変わります。人数は目安にとどめ、明細の数字で確かめてください。

あなたがやること: 家族の人数と、昼に家にいる人がいるかを書き出します。

太陽光の余りはどのくらい?

太陽光のある家では、1日に売っている量が、ためられる量の上限の目安です。国の統計では、太陽光のある世帯は1日に平均約11kWhを売っていました。[1]

13.64月14.65月12.66月11.57月12.48月11.29月10.710月10.811月7.512月7.31月7.82月9.43月
13.64月14.65月12.66月11.57月12.48月11.29月10.710月10.811月7.512月7.31月7.82月9.43月

縦軸: kWh/日

時期 1か月の売電量 1日あたり
5月(いちばん多い月) 453kWh 約14.6kWh
8月 383kWh 約12.4kWh
11月 325kWh 約10.8kWh
1月(いちばん少ない月) 225kWh 約7.3kWh
年間 3,947kWh 約10.8kWh

太陽光を使っている世帯あたりの値(2023年4月〜2024年3月)です。[1] 1日あたりは、編集部が各月の日数で割りました。

冬は売る量が減り、1日あたり7kWh台になります。平均の値では、冬の売電量は10kWhに届きません。家ごとに違うため、自分の家の明細で確かめてください。

あなたがやること: 売電の明細で、冬(12〜2月)と春(4〜5月)の1日あたりの売電量を出します。

使い方別に何kWhが目安?

太陽光の余りを夜に使うなら5〜10kWh前後、停電時に家全体を1日なら10kWh以上がひとつの目安です。目的ごとに、どの時間帯の電気をまかなうかで考えます。

0時6時12時18時24時kWためる(昼の余り)使う(夜)使う
0時6時12時18時24時kWためる(昼の余り)使う(夜)使う
太陽光の発電家の使用量昼の余り → 蓄電池へ(ためる)夕方〜朝 蓄電池から放電(使う)

「ためる量=昼の余り」と「使う量=夜の使用量」の小さい方が、必要な容量の目安です。数値は模式で、目盛りはありません。

使い方 考える量 容量の目安
太陽光の余りを夜に使う 昼の余り と 夜の使用量 の小さい方 5〜10kWh前後
停電時に冷蔵庫・照明・通信を保つ 必要な家電だけを約1日 5〜7kWh前後
停電時にエアコンなども含めて使う 家全体を約1日 10kWh以上

容量の目安は、上の使用量と売電量、下の家電の目安をもとに編集部が置いた値で、公的な基準ではありません。

蓄電池には、カタログ上の「定格容量」と、実際に使える「実効容量」があります。必要な量は、実効容量で考えます。

定格容量 実効容量 差
6.5kWh 5.9kWh 0.6kWh
9.8kWh 8.8kWh 1.0kWh
12.7kWh 11.4kWh 1.3kWh
16.4kWh 14.8kWh 1.6kWh

あるメーカーのカタログの仕様表の値です。[4] 定格のおよそ9割が実効容量でした。差は機種で違います。

あなたがやること: 目的を「余りを夜に使う」「停電に備える」のどちらに重く置くか決め、表から容量の候補を2つ選びます。

10kWhでどれくらい使える?

10kWh級の蓄電池なら、約300Wの家電を1日以上使える計算です。メーカーのカタログは、9.8kWhの機種で285Wの家電を約29時間使える目安を示しています。[4]

家電 消費電力の目安
冷蔵庫 50〜100W
テレビ 100〜180W
照明 50〜100W
スマートフォンの充電 10W

あるメーカーのカタログの目安です。[4] 実際の消費電力は、家電の機種と使い方で変わります。

6.5kWh18に容量18時間9.8kWh29に容量29時間12.7kWh34に容量34時間16.4kWh45に容量45時間
6.5kWh18に容量18時間9.8kWh29に容量29時間12.7kWh34に容量34時間16.4kWh45に容量45時間
使い方(同時に使う電力) 実効8.8kWhで使える時間の概算
冷蔵庫・照明・通信(約300W) 約29時間
+テレビを長めに(約500W) 約17時間
+電子レンジなどを時々(平均約1,000W) 約9時間

概算は「実効容量 ÷ 使う電力」で編集部が計算した値で、変換のロスを含まない上限の目安です。メーカーの目安(285Wで約29時間)とほぼ同じ水準です。[4]

停電時にどこまで使えるかは、容量だけでなく機種の種類でも決まります。

  • 全負荷型: 家全体に電気を送ります。エアコンやIHなど200Vの家電も使える機種があります [4][5]
  • 特定負荷型: 前もって決めた回路だけに電気を送ります。使いすぎを防げますが、ほかの部屋のコンセントは使えません [4][5]

停電時に一度に使える電力(自立出力)にも上限があります。同じカタログでは、2.0kVAや4.0kVAといった値です。[4] 電子レンジやドライヤーを同時に使うと、上限を超えることがあります。

あなたがやること: 停電のときに同時に使いたい家電を書き出し、消費電力の合計を出します。

容量で補助金はどう変わる?

東京都の補助は1kWhあたり10万円なので、容量が大きいほど増えます。[6] 上限は120万円で、12kWhで上限に届きます。[6]

区の補助は、計算のしかたが区によって違います。容量で増える区と、定額の区があります。

区 計算のしかた 7kWhの場合 受付状況
足立区 定額5万円(区内事業者なら6万円)[7] 5万円 受付中
杉並区 定額5万円(3kWh以上)[8] 5万円 受付中
江東区 1kWhあたり1万円・上限10万円(太陽光と同時申請なら2.5万円・上限20万円)[9] 7万円 受付中
中央区 1kWhあたり1万円・上限10万円 [10] 7万円 受付中
豊島区 1kWhあたり1万円・上限5万円 [11] 5万円 受付中
港区 初期実効容量1kWhあたり4万円・上限20万円 [12] 実効容量で計算 受付中

7kWhの欄は、表の計算のしかたに当てはめた額です。港区は定格ではなく、SIIに登録された初期実効容量で計算します。[12] 区ごとに、太陽光とつながっていることなどの条件があります。

東京都の外でも、計算のしかたは分かれます。千葉市は容量に関係なく上限7万円で、対象経費が7万円以上なら7万円です。[16] 横浜市は1件あたり12万円分の定額で、現金ではなくポイントなどで受け取ります。[17] どちらも受付中です(2026年10月24日確認)。

050100150200万円東京都の補助 50万円50東京都の補助 70万円70東京都の補助 100万円100東京都の補助 120万円120東京都の補助 120万円1205kWh7kWh10kWh12kWh都の上限15kWh62.587.5125150187.512.517.5253067.5
050100150200万円東京都の補助 50万円50東京都の補助 70万円70東京都の補助 100万円100東京都の補助 120万円120東京都の補助 120万円1205kWh7kWh10kWh12kWh都の上限15kWh62.587.5125150187.512.517.5253067.5
東京都の補助(棒)費用の目安(点線)自己負担の目安

前提: 東京都・既存住宅・太陽光あり・税抜・目標価格(国の目標価格12.5万円/kWh)。

容量 東京都の補助 費用の目安(税抜) 自己負担の目安
5kWh 50万円 62.5万円 12.5万円
7kWh 70万円 87.5万円 17.5万円
10kWh 100万円 125万円 25万円
12kWh 120万円(上限) 150万円 30万円
15kWh 120万円(上限) 187.5万円 67.5万円

前提:東京都・既存住宅・太陽光あり。東京都の補助は 容量 × 10万円(上限120万円)です。[6] 費用の目安は、国の目標価格12.5万円/kWh(税抜)で計算しました。[13] 都の補助は、税抜の対象経費から国や区の補助を引いた額が上限です。[6]

12kWhまでは、容量を1kWh増やすごとに自己負担は2.5万円ずつ増えます。12kWhを超えると補助が増えないため、1kWhごとに12.5万円ずつ増えます。

国の蓄電池補助金(DR補助金)は、2026年5月29日に予算に達して受付を終え、SIIは再開の予定はないとしています。[14] 東京都には、DR実証(電力会社の要請に合わせて充放電を調整する取り組み)に参加すると10万円上乗せする仕組みもあります。[6]

この表の費用は目標価格での目安です。実際の見積もりの単価が違えば、自己負担の差も変わります。候補の容量ごとに、実際の費用を確かめておきましょう。

あなたがやること: 住んでいる区の計算のしかたを確かめ、候補の容量2つで補助の合計を出します。

あとから増やせる?

東京都には、すでにある蓄電池にユニットを足す「増設」の補助もあります。1kWhあたり6万円で、上限は72万円です。[6] 太陽光がすでについていることが条件です。[15]

項目 新しく設置 ユニットを増設
東京都の補助 1kWhあたり10万円 [6] 1kWhあたり6万円 [6]
上限 120万円 [6] 72万円 [6]
区の補助 区による 区によって対象外(足立区は2台目以降の増設は対象外)[7]

増設の単価は、新しく設置するより低く設定されています。[6] 足立区のように、増設を対象にしない区もあります。[7] 最初から必要な容量で入れるか、増設を前提に選ぶかは、補助の差も含めて考えます。

増設できるかどうかは、機種ごとに違います。見積もりの段階で、選ぶ機種があとから容量を足せるかを聞いておくと安心です。

あなたがやること: 将来、電気自動車やオール電化など、電気が増える予定があるかを考えます。

容量選びで気をつけることは?

容量は「大きければ安心」ではありません。使い切れない容量は、費用が増えるだけになるからです。

確かめること 理由
昼の余りより大きくしない 余り以上はたまらないため
実効容量で比べる 定格と実効の差は機種で違うため [4]
全負荷型か特定負荷型か 停電時に使える部屋と家電が変わるため [4][5]
自立出力(kVA) 同時に使える家電の上限が決まるため [4]
補助金の対象製品か 都は2026年10月1日以降の事前申込からSIIの2026年度登録製品だけが対象 [6]
置き場所 容量が大きい機種ほど本体が大きく重くなるため

同じ容量でも、機種によって価格や停電時に使える範囲が違います。候補の容量を2〜3通り決めて、それぞれの費用を見積もりで比べると判断しやすくなります。

見積もりを依頼するときは、容量だけでなく、全負荷か特定負荷か、自立出力もそろえて伝えます。条件をそろえると、各社の見積もりを並べて比べられます。

あなたがやること: 表の6項目を、候補の機種ごとに確かめます。

あなたの地域の補助金
容量で補助の額が変わる地域と、定額の地域があります。住んでいる地域の計算のしかたを確かめてください。

次にやること

容量の候補がしぼれたら、あとは費用の比較です。補助金の申請に慣れた業者から、まとめて見積もりをとると比べやすくなります。

よくある質問

10kWhの蓄電池で、どれくらい使えますか?

冷蔵庫・照明・通信など約300Wなら、1日以上使える計算です。メーカーのカタログでは、9.8kWhで285Wを約29時間という目安です。[4] エアコンなどを使うと、時間は短くなります。

容量は大きいほど得ですか?

東京都の補助は12kWhで上限に届きます。[6] それより大きいと、自己負担が急に増えます。昼の余りより大きい容量は、ふだんは使い切れません。

太陽光がなくても、蓄電池の補助は使えますか?

東京都の新設の補助は、太陽光があるか、再エネ電力のメニューに契約することが条件です。[15] 区の補助は、太陽光とつながっていることを条件にする区があります。[9][10][11]

定格容量と実効容量、どちらで補助金が決まりますか?

自治体によって違います。港区は初期実効容量で計算します。[12] 東京都は「蓄電容量」とだけ書かれ、定格か実効かの定義は手引きに記載がありません(確認中)。[6]

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この記事を書いた人

蓄電池補助金ノート編集部

国・都・区市町村の公式ページと要綱を読み、金額と条件を毎週確認しています。運営はアースダイバー株式会社です。

運営会社:アースダイバー株式会社

編集方針と確認の方法

出典

  1. 家庭部門のCO2排出実態統計調査 太陽光発電システムについて(環境省、令和5年度) 戸建ての電気消費量(GJ/世帯・年)、月別の発電量・売電量(kWh/使用世帯・月)。2026年10月24日確認
  2. 家庭部門のCO2排出実態統計調査 家庭でのエネルギー消費量について(環境省、令和5年度) 2026年10月24日確認
  3. 令和5年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 結果について(確報値)(環境省、2025年6月、PDF) p.6 図6「世帯人数とCO2排出量」。2026年10月24日確認
  4. オムロン マルチ蓄電プラットフォーム カタログ KAND-044Q(2023年8月、PDF) p.4〜5(停電時の家電の目安、全負荷・特定負荷)、p.22(仕様:定格・実効容量、自立出力)。2026年10月24日確認
  5. 蓄電池システム(シャープ) 2026年10月24日確認
  6. 令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業(クール・ネット東京) 助成額(新設・増設)、対象経費、SII登録機器の要件。2026年10月24日確認
  7. 足立区 太陽光発電システム及び蓄電池設置費補助金(設置後申請) 2026年10月24日確認
  8. 【エコ住宅促進助成】手続き案内(令和8年度)(杉並区) 2026年10月24日確認
  9. 江東区地球温暖化防止設備導入助成事業 事業のご案内(個人住宅用)(江東区、2026年4月1日、PDF) 2026年10月24日確認
  10. 自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成(住宅用)(中央区) 2026年10月24日確認
  11. 豊島区エコ住宅普及促進費用助成金(個人住宅向け)(豊島区) 2026年10月24日確認
  12. 蓄電システム(港区) 2026年10月24日確認
  13. 令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業 公募要領 1.1版(SII、2026年3月26日、PDF) p.9(目標価格)。2026年10月24日確認
  14. 国のDR補助金の受付終了(2026年5月29日、予算到達。再開の予定なし)はSII 令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業 お知らせ(2026年5月29日)による。2026年10月24日確認
  15. 令和7年度事業の受付期間及び令和8年度事業の概要・今後の予定について(東京都環境局・東京都環境公社、2026年2月18日、PDF) p.1(契約締結前の事前申込)、別紙2(新設・増設の条件)。2026年10月24日確認
  16. 住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金(住宅向け)(千葉市、2026年10月21日更新) 2026年10月24日確認
  17. 横浜グリーンエネルギーパートナーシップ事業(横浜市、2026年10月23日更新) 2026年10月24日確認

更新履歴

  • 2026年10月24日 太陽光の余り(月別の売電量)、10kWhで使える時間、区ごとの計算のしかた、増設の補助を追加
  • 2026年10月24日 公開

次回確認予定:2026年11月24日